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秋冬はカマスの季節!お手軽ウキ釣りで堤防からカマスを狙う

釣ってよし食べてよしの秋の魚、カマス。すらりと伸びた銀色の魚体に、ずらりと並んだ鋭い歯は強烈なファイトで楽しませてくれるフィッシュイーターの証。淡白な白身は刺身や焼き魚が絶品です。今回はそんなカマスのウキ釣りについてご紹介します。

カマスのウキ釣りってどんなもの?魅力やシーズンをご紹介!

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出典:FREEIMAGES

カマスのウキ釣りは、なんといってもその手軽さが大きな魅力です。ウキ、オモリ、針だけのシンプルな仕掛けを使い、アクセスのよい堤防から釣りを楽しむことができます。また、エサにはサバの切り身等を使うので、ゴカイなどの活餌が苦手な女性の方やお子さんにもおすすめです。

カマスのシーズンは、一般に初夏から年末です。シーズン始めには10~30 cmとやや小型の「ヤマトカマス」が、初秋からはそれよりも一回り大きい「アカカマス」が釣れるようになります。この両者が入り乱れる中秋から晩秋にかけてが、もっともカマスを釣りやすい季節です。なお、カマス釣りも他の多くの魚種と同じく、朝夕のマズメを狙いますが、この季節は朝も夕方も冷え込みが厳しくなってきます。釣行に際しては、ちょっと暖かすぎるかなと感じるくらいの防寒着を用意することをおすすめします。

おすすめタックルをご紹介!磯竿がベスト、サビキ竿やルアーロッドでもOK!

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タックルについて解説していきます。カマスのウキ釣りでは、専用の道具や装備を買い揃える必要はありません。お手持ちのサビキ竿やルアーロッドにスピニングリールを装着すれば、それで準備完了です。ただし、道具にはやはり使いやすい・使いにくいというものがありますので、以下では、最適なタックルの一例をご紹介していきます。

ロッドは磯竿が最適

2号から3号の、先調子の磯竿が最も使いやすいです。長さは3mから5mほどのものが投げる距離も出しやすく、取り回しも悪くないので、仕掛けを落とすポイントの自由度が高くなります。また、やわらかめのロッドを使うと、カマスのフィッシュイーターらしい豪快な引きをより一層味わえるので、おすすめです。

ダイワ リバティクラブ ライトパック 30-270

全長(m):2.73
継数(本):9
仕舞(cm):45
自重(g):210
錘負荷(号):20-40
ルアー重量(g):10-40

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リールは2500番クラスが快適

リールは2500番クラスのスピニングリールを選んでおけば間違いはありません。このクラスは非常に汎用性が高く、さまざまな釣りに使い回すことができるので、初めてリールを購入するという方にもおすすめです。なお、カマスは大きい個体だと50cmちかくなるものもいるので、1000番クラスの小さいリールだと嬉しい苦戦を強いられることがありますが、ファイトを楽しむという点では悪くない一つの選択肢でもあります。

ダイワ クレスト LT2500

1回転巻取り長(cm):75
ギア比:5.3
最大ドラグ力(kg):10
標準自重(g):235
ハンドル長(mm):55
標準糸巻量:ナイロン(lb-m) 6-150 / ブレイド(号-m) 0.8-200

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ラインはナイロンでトラブル知らず

ラインはナイロンの2~3号を150mほど巻いておくと、カマスのウキ釣りはもちろんのこと、いろいろなターゲットや釣り方に使い回すことができるのでおすすめです。ウキ釣りではどうしてもラインにたるみが出るので、PEラインを使用する場合はライントラブルが発生しやすいです。なお、カマスだけを考えるならばリールに巻くラインはもっと細いものでも充分ですが、カマスを狙った釣りには外道として青物がかかることがあるので、やや強めのラインを巻いておくと安心です。

サンライン ソルトウォータースペシャル ハイビジブル 150m 3号 12lb マジデオレンジ

全長:150m
3号/12lb
マジデオレンジ

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これでばっちり、カマスのウキ釣り!釣り方とコツをご紹介

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基本的な釣り方

カマスをウキ釣りで狙う場合は、水面下0.5m~2mくらいの表層を狙います。魚の活性が高い時間帯には浅めに、活性の低い時間帯にはやや深めにウキをセットするといいでしょう。
仕掛けは、あまり遠くまで飛ばす必要はありません。軽く投げて10mほど先に着水させたら、少しずつ糸を出しながらプカプカと流れていくのに任せます。ある程度流れたら、ウキが見えなくなるほど遠くへ行ってしまわないよう糸のたるみを取り、アタリを待ちます。

アワセに関しては、あまり過敏にならないようにしましょう。スッと深く斜めに潜るようなアタリの後、一呼吸ほどウキが浮かんでこないことを確認してから竿先を立てるくらいがちょうどいいタイミングです。

「待ちの釣り」にもコツはある

カマスのウキ釣りは、基本的には「待ち」の釣りになりますが、餌はこまめに交換するようにしましょう。長時間水に浸かってふやけたような餌は食いが悪くなりますし、竿を上げて投げ直すことで少しずつポイントをずらし、広い範囲を探る意図もあります。

また、カマスの魚影が濃く活性がとても高い時には、ウキの浮き沈みがあまりアテにならないことがあります。群をなすカマスがラインに触れて引っ張られたり、あるいは、エサをもてあそぶように噛みついて引っ張っては離すという行動を取ることもあります。このような場合には、ウキの動きには反応せず、ドラグを大胆に緩めてじっと待つのが効果的です。カマスが完全に餌に食いつき、糸が走ってドラグ音が響いたら、慌てず丁寧に合わせてドラグを締め、リールを巻きます。

カマスのウキ仕掛けを解説!ポイントはダブルフックとハリス切れ対策にあり

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ウキとオモリに針さえあればできてしまうのがカマスのウキ釣り。しかし、「シンプル=なんでもいい」というわけではありません。以下では、実はけっこうな食わせものであるカマスを釣り上げるために重要なポイントを押さえながら、ウキ釣りの仕掛けについて解説していきます。

カマスの仕掛けに欠かせない2つのポイント

魚釣りの仕掛けを考える上で重要なのは、ターゲットとする魚がどんな風に餌を食べるのかという生態を知ることです。カマスの場合は、「顎の細いフィッシュイーター」であることを考慮する必要があります。

まず第一のポイントは、「ダブルフック (1つの餌に2本の針をかける) にする」です。カマスは、自分の顎の幅より大きい餌にも貪欲に食らいつきます。このとき、食いついた箇所をその細い顎で「かじり取る」ことになるため、餌には食いついたものの場所が悪く針にかからなかった、という事態が発生しやすいのです。したがって、カマスのウキ釣りでは、ダブルフックにして針がかりの確率を上げることが釣果アップの鍵になります。

第二のポイントは、「ハリスを切られないようにする」です。カマスの顎に並んだ鋭い歯は、ときに驚くほどあっさりと釣り糸を切断します。せっかく針にかかったのにファイト中にハリスが切れてバラしてしまった、という悲劇は、カマス釣りにおいては珍しい光景ではありません。ハリスを噛み切られないための対策として、飲み込まれにくい軸長の釣り針を使う、釣り針の頭からハリスにかけての数cmをゴムチューブで覆う、ハリスの代わりに樹脂製やワイヤー製の「リード」と呼ばれる道具を装着する、などがあります。

カマスのウキ釣りには「タチウオ用」の仕掛けセット流用が◎

「ダブルフック」と「ハリス切れ対策」。この2点を踏まえると、タチウオ用として販売されている仕掛けセットの既製品を流用するのが最も手軽かつ効果的です。これらの商品は、タチウオの鋸のような歯に対応するため、超軸長の太刀魚針によるダブルフックと、高強度のハリスあるいはリードを採用しているものがほとんどのため、カマスのウキ釣り仕掛けとして理想的です。発光ウキがセットになったものも多いので、夜釣りにトライしてみるのもいいでしょう。

ささめ針 うきうき堤防 太刀魚 水平4点ワイヤー仕様 MW-667

全長:5m
号数:M
ハリス:#46
入数:1セット

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シンプルだから自作も簡単

カマスのウキ釣り仕掛けに必要なものは、ウキ (+ウキ止め)、オモリ、サルカン、ハリス、針。これらを上から順番にセットしていくだけで、完成です。

ウキ

1号から2号のあまり大きくないものを使います。カマス釣りでは表層を狙うので、お手持ちのものがあるなら棒ウキ、玉ウキ、流動ウキ、どれでもOKです。新しく買うということであれば、投げ釣りなどにも応用が利く流動ウキがいいでしょう。

オモリ

中通しタイプのオモリを使います。号数はウキと揃えます。

ハリス

ハリスは最低でも2号、できることなら3号を使います。太くなるほどキッチリと結ぶのが難しくなりますが、挫けそうになった時はファイトの最中にハリスが抜けた悲しみを想像し、一本ずつ丁寧に仕上げましょう。

カマス釣りでは、長軸針と呼ばれる、軸(「J」の直線部分)が通常のものより長く作られた釣り針を使います。軸が長いことによって、針が飲み込まれにくくなり、ハリスがカマスの歯に擦れることを防ぎます。また、これらの針はハリスを結ぶ部分がカン(輪っか)状になっているものがほとんどで、太い(強い)ハリスでも結びやすくなっていることも特徴です。

なお、長軸針の多くは「太刀魚針」として販売されています。いくつかのメーカーからは、カマス向けにアレンジされた針が商品化されています。

がまかつ 波止カマス 白 14号

号数:14
入本数:12

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エサは冷凍キビナゴがおすすめ!現地調達という裏技も

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カマスのウキ釣りにおいて、エサ選びはそれほど釣果を左右しません。キビナゴ、アジ、サバ、イワシ、あらゆるエサにカマスは貪欲に食いついてきます。そのなかで、手軽さという点でおすすめなのが、全国の釣具店で購入できる冷凍キビナゴです。1尾まるごと針にかけて使います。切り身と違って解凍時にべちゃべちゃになりにくく、値段も手頃です。

また、カマスのウキ釣りは「待ち」がメインになりますので、アタリを待つあいだ別の竿でサビキ釣りなどに精を出すのもひとつの手です。そうして手のひらサイズのアジなどが釣れればしめたもの。ウキ釣り仕掛けの針にかけて、泳がせてみましょう。カマスはもちろんのこと、サバなどの青物の釣果も期待できます。

首都圏周辺でカマスを釣るならどこ?現地に着いてからのポイント選びも重要

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カマスは東京湾をはじめ、太平洋側でも日本海側でも、全国各地で狙えます。アジやイワシなど、ベイトとなる小型の回遊魚が集まりやすい、潮通しのよい漁港の堤防が狙い目です。 なお、カマスはベイトの群れを求めて港内・港外を回遊するので、よく釣れるポイントは同じ釣り場のなかでも日ごと、時間帯ごとに変化していきます。釣具店でエサを購入する際におすすめのポイントを尋ねたり、現地でサビキ釣り等をしている人がいれば、その釣果を参考にするとよいでしょう。

あなたは朝焼け派?夕焼け派?秋の堤防でカマスを釣ろう!

カマスのウキ釣りについての本記事、いかがでしたでしょうか。キリっと冷えた秋の朝、白い息を吐きながら釣り糸を垂らし、ぼんやりと朝焼けを眺めるもよし。夕方、茜色に染まる空と海に向けてロッドを伸ばし、沈んでいく太陽を見送るもよし。釣れたカマスは淡泊な刺身でいただくもよし、しっとりホロホロの焼き魚でいただくもよし。いいことづくめのカマス釣り、ぜひトライしてみてください。
なお、釣り上げたカマスはひどく暴れることがあり、その鋭い歯で噛みつかれればケガをすることもあります。プライヤーやワニグリップ等を使用するなどして素手での取り扱いは控え、安全に釣りを楽しみましょう。

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