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冬のヘチ釣りを徹底解説!寒チヌ狙いのコツとおすすめアイテム

冬のヘチ釣りで寒チヌを釣り上げるには4つのコツがあります。それは、水温、タナ、エサ、仕掛けの4種類です。チヌの生態からコツ、おすすめのタックルや仕掛けなど、この記事で冬のヘチ釣りの全てがわかります。

冬のヘチ釣りは大物の「寒チヌ」を狙う

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出典:visualhunt

チヌは冬になると深場に落ちて釣れなくなる。これはチヌ釣り師の間では半ば常識です。しかし冬のチヌは全てが深場に落ちるのではなく居残る個体もあります。

この居残りのチヌを特別に「寒チヌ」と呼びます。夏場に比べ個体数が絶対的に少なく、水温が下がって活性が下がった寒チヌはなかなか釣れません。釣れないどころか「あたり」すらないという厳しい日もあります。

しかし釣りにくいからこそ釣れた時の嬉しさも倍増です。さらに、寒チヌは釣れたら大物40㎝以上というボーナス付きです。

この記事では、冬場のへち釣りで寒チヌを攻略するポイントをチヌの生態から探ってみました。寒チヌを釣り上げるには、水温、タナ、エサ、仕掛けの4つが重要になります。この4つを重点的にまとめました。ぜひ参考にしてください。

チヌは冬場(12月~3月)に深場へ落ちていく

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出典:freeimages

冬のヘチ釣りが釣れにくいのは、一重にチヌが深場に落ちていくことが理由です。夏場はとても魚影が濃かったポイントから群れをなして姿を消してしまうのです。最も釣れにくいのは12月から3月初旬までの厳冬期です。

この時期に堤防周りに居残るチヌを「寒チヌ」と呼びます。

チヌが深場へ落ちる理由

チヌが深場に移動する最大の理由は2つあります。エサが少なくなる事と、水温の低下です。冬場はプランクトンが減少し、それを捕食する貝やエビやカニが一気に減少します。カニやエビが少なくなれば、安定して食物のある深場へチヌは移動します。一連の食物連鎖の中にチヌも組み込まれているのです。

釣りに行くと、冬場は海は夏に比べて海水の透明度が高い事に気づかれるはずです。これは濁りの原因となるプランクトンが少ないことが一因です。

また深場は水温の変化が小さく安定しています。海水温に敏感なチヌは寒くなるとどんどん深場に移動します。海水温が最も下がるのは2月下旬~3月上旬です。

チヌが動ける限界水温は5度

チヌの限界水温は5度~3度です。つまり水温が5度を下回ると仮死状態に陥り3度以下で死に至ります。鮮魚の輸送方法で仮死状態にして長距離を移動する技術があります。仮死状態で移動することで鮮度を保つ輸送方法です。

ちなみにチヌの適温は13度~23度で、最も適しているののが18度です。

海水温が一番下がるのは2月下旬から3月上旬

海水温が一番下がるのは2月下旬から3月上旬です。地上では桜が咲き始めるころですが、海中ではまだまだ厳冬期です。

この差が出る理由は、大気は温めやすく冷めやすい。海水は温めにくく冷めにくいという逆の性質による影響です。概ね海中では地上の一か月遅れで季節が動いています。

東京湾ではも最も水温が下がる2月下旬~3月初旬で、最低水温は8度近くまで下がります。例年3月の初旬までまでは9度台で推移し、3月の中旬を過ぎてからようやく10~11度に上昇し始めます。(国土交通省水文水質データベース参照)

魚は海水の温度で体温を変える変温動物

魚は外界(海水)の温度によって体温が変わる変温動物です。水温が低下するとエサを食べない以前に実質的に体が動かなくなります。体温が下がると代謝が下がり消化機能も低下し冬眠に近い状態になります。エサを食べなくても平気です。

海水魚は0.1度以下の海水温度の変化を感じることができるといわれます。全く釣れない冬の日に、午後になって暖かくなってきたら「急にあたりが出始める」ということがあります。これは海水の温度の上昇が原因である場合があります

冬のヘチ釣りで寒チヌを釣り上げるコツ「海水温」

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出典:freeimages

冬のチヌを釣り上げるためには場所選びがとても重要です。闇雲に釣行しても思ったような釣果は上がりません。基本的には夏場に実績があったところがベストですが、冬ならではのポイントもあります。

冬のヘチ釣りは少しでも「水温が高い場所」を狙う

冬場は少しでも水温が高い場所がいいです。沿岸部には限定的に水温の高い場所と低い場所が存在します。発電所の放水口周りは水温が高いことで有名です。各種工場からの放水回りも限定的に水温が上がります。

逆に水温が下がるのが河口部。雪解け水が流れ始めると最も水温が低くなります。

冬のヘチ釣りは「水温の高い時間帯」を狙う

1日の間でも水温は変化します。魚の活性が上がる朝まずめはもちろんゴールデンタイムです。しかし、冬のヘチ釣りでは水温の低下で魚の活性が下がっていることも考えられます。

冬のヘチ釣りでは暖かな日差しで、寒さが緩んだ午後になるとあたりが頻発することがあります。

冬のヘチ釣りは前日より暖かな日が釣れやすい

冬の釣りでは「昨日より〇度も低いから釣れなかった」という言葉を聞くことがあります。同じ温度でも前日の海水温と比較して下降傾向にあると魚の活性は鈍ります。逆に温度が上昇する傾向なら活性が上がっている可能性が高いです。

冬は風裏でヘチ釣りをする

冬は風との戦いでもあります。大阪湾では西寄りの冷たい季節風が有名です。風裏ポイントを下調べしておけば釣果アップに役立ちます。

ヘチ釣りの冬は特に底を重点的に攻める

夏のヘチ釣りはヒトヒロ程度の表層でチヌが掛かることがあります。冬のヘチ釣りでは表層で釣れる事はまずありません。活性が高い日でも中層です。チヌは海底付近でじっと動かずに固まっています。

水深は5m以上の堤防を狙う

水深は5m以上ある比較的深い堤防を狙います。水深の浅い堤防は期待が出来ません。冬場のチヌは神経質になっている場合が多いので、あまり人がいない堤防を選びます。

冬のヘチ釣りは底を重点的に攻める

ヘチ釣りでは通常2B~3Bのガン玉を使います。出来るだけゆっくりと表層から落としていくのがセオリーです。全層を丁寧に探る釣り方です。

しかし、海底を重点的に攻める冬のヘチ釣りはワンランク大きなガン玉で手返しよく底を攻める方法を取ります。潔く狙いのタナに絞った攻めです。

底に付いたら聞き合わせで「あたり」が来る

エサが着床したら数秒間待ちます。冬はエサをくわえて一目散に走り出す元気なチヌはいません。エサにかみついたままじっとしています。そこで軽く聞き合わせをします。あたりを感じるのはこの聞き合わせの時が最も多いです。

冬のヘチ釣りは5種のエサを使い分けよう!

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出典:foter

冬のヘチ釣りで使えるエサをまとめました。ヘチ釣りの定番ともいえるイガイ(カラス貝)は冬場になると落ちてなくなってしまいます。冬場は夏とは違ったエサの使用方法があります。

ヘチ釣り 冬のおすすめエサ5種類

冬のおすすめエサが下記の5種類です。それぞれのエサの特長や使い方をまとめました。

  • フジツボ
  • オキアミ
  • ボケ
  • カニ
  • 活きエビ

現地採集の代名詞「フジツボ」

フジツボは現地採集できるエサの代名詞です。スクレーパーを使ってこそぎ落します。殻はとても硬く針が通りませんので、とがった部分をハサミで切り中身に針を掛けます。

冷凍保存が可能なので沢山取って小分けしておくと便利です。

オキアミはむき身で使う

冬のヘチ釣りでもオキアミは有効な餌です。オキアミは通常に使用方法の他に大き目なものを選んでむき身にして使うという方法も取られます。むき身にした方が違和感がなく食いが良いという特徴があります。

ボケはエサ取りが少なく使いやすい

ボケはチヌの好きなエサの一種です。夏はエサ取りの餌食になることが多く、ここぞというタイミングでしか使えませんが、冬のヘチ釣りはエサ取りが少ないです。ボケを多用することも可能です。

カニは年中釣れる安定感

冬になるとカニも姿を消しますが釣具屋さんでは購入可能です。カニはチヌ釣りにはなくてはならないエサですが、冬のヘチ釣りにも安定した実績があります。チヌの目には久しぶりに見た「御馳走」に写るのかもしれません。

冬のヘチ釣りは活きエビが釣果の実績高い

冬のヘチ釣りでは活きエビの釣果実績も高いです。関東ならモエビ、関西ならシラサエビです。エビは頭の甲羅と脳の隙間に針を掛ける「頬掛け」が一番弱りにくくおすすめなつけ方です。
頬掛けにすると、尾が自由なのでピョンピョンと跳ねてチヌへのアピールが大です。

一番のおすすめは「活きエビ」

冬のヘチ釣りは活きエビが一番のおすすめです。当然ですが釣れるからにほかなりません。冬場の活性が下がったチヌが相手でも、着底と同時にあたりが出ることもあります。活きエビの動きでチヌにしっかりと存在を見せ、アピールできるのがポイントです。

もちろん、活きエビに固定する必要は全くありませんし、その日によってあたりエサも変わります。エサは何を使っていいかわからない。困ったときは活きエビを使ってみてください。

冬のヘチ釣り「寒チヌ」を狙うおすすめタックル

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出典:visualhunt

冬のヘチ釣りに使うタックルを紹介します。基本的に季節によって大きく変わることはありませんが、風が強い場合が多いので風対策は必須になるでしょう。

冬のヘチ釣りにぴったりなロッド!

低い堤防にピッタリ!2.4mの短めロッドで狙う

プロックス CX攻技ヘチ TE CXSHT24

規格:240
仕舞寸法(cm):130
継数(本):2
標準自重(g):121
錘負荷(号):1〜3

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プロックスの2.4mのヘチ釣り用のロッドです。
余分な糸ふけを発生させないように堤防の高さに合わせた長さ選びが重要になります。

高めの堤防には3.0の長めをチョイス

宇崎日新 プロステージ 攻堤ヘチ 3003

全長 3.00m
継数 3本
自重 145g
錘負荷 2~5号
適合ライン 0.8~3号

Amazonで詳細を見る

こちらは3.0の長めのヘチ専用竿です。
上のプロックス CX攻技ヘチ TE CXSHT24との差は60㎝あります。
ラインコントロールが重要なヘチ釣りでは、60㎝の違いはずいぶん大きく感じられます。
余分な糸ふけをつくらないためには、釣り場に合った長さをシビアに選択するのが良いです。

冬のヘチ釣りおすすめリール!

クロダイ大将はヘチ釣りの名器!

【PROMARINE/プロマリン】海将黒鯛 糸無し KA87 283807(KA87G) 283791(KA87R) 両軸・ベイトキャストリール リール

品番:KA87
糸巻量:3号-100M
付属糸:糸ナシ
ギア比:1:1
自重:107
ベアリングボール/ローラー:2/0

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プロマリンの黒鯛大将シリーズは、ヘチ釣り用太鼓リールの「名器」といっても過言ではありません。多くの釣り師が黒鯛大将を支持します。回転性能がとても凄いです。Bサイズのガン玉でスルスルとラインが出てきます。

冬のヘチ釣りでは風にラインが煽られると、風の強さだけでラインが出てしまいます。

冬のヘチ釣りならではのおすすめ仕掛け

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出典:stockvault

冬のヘチ釣りの仕掛けを説明します。特に夏と違うのはラインとオモリです。ラインはフロロカーボンが有効になります。オモリはワンサイズ大きなオモリをチョイスするのがコツです。そして針はワンサイズ小さめです。

冬のヘチ釣りにはフロロカーボンのラインが有効

黒鯛工房 黒鯛師 THE黒鯛フロロ グリーン 100m 2.5号

●視認性にもこだわった蛍光カラー
●100mソフトテンション巻き仕様●
フロロカーボン100% (比重:1.78)

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ヘチ釣り専用のフロロカーボンラインです。ヘチ釣りには一般的にナイロンラインが使われます。カラフルなカラーで視認性が良く、伸びがありチヌに違和感を与えない等が理由です。

このフロロカーボンは新世代のフロロカーボンで、視認性が良いグリーンとオレンジです。しっかりとラインが見えます。

そしてコシが強くピンと張った直進性は深いタナを狙いやすいです。風にも強く、竿先のライントラブルも減少します。また比重が高いのでライン自体が水に沈むという特徴があります。

夏場にも使えますが、特に冬のヘチ釣りに使いたいラインです。

オモリはワンサイズ大きめをチョイスする

第一精工ガン玉50円2B

第一精工
ガン玉
2Bサイズ

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通常のヘチ釣りでは、2B~3Bのオモリを使います。冬のヘチ釣りでは風の影響と、重点的に狙うタナが底であることから、ワンサイズ大きなオモリを使います。時には2B×2個といった使い方もします。

ガン玉セットがヘチ釣りには便利

第一精工ガン玉セット

第一精工
ガン玉セット
3B・2B・B・3・5号

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オモリの設定が釣果にダイレクトに直結するヘチ釣りには、すぐに調節できるセットオモリが便利です。

針はワンサイズ小さな1号~2号

ヘチ釣りではチヌ針の3号前後が良く使われます。冬のヘチ釣りではワンランク小さな1号~2号を使います。ボトムでべったりと動かないチヌを狙うには、小さな針を飲み込ませなくてはいけません。違和感を感じたらすぐに吐き出してしまいます。

ただし、小さな針なので「掛かり」が浅かったり、合わせのタイミング次第ではすっぽ抜けたり、エサだけが噛みつぶされてフッキングしないことも発生します。
そこが寒チヌとの腕比べになります。

冬のヘチ釣りでチヌを狙う1号針

がまかつ(Gamakatsu)チヌ(黒)1号

がまかつ
入本数:16
号数:1号
対象:チヌ

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がまかつのチヌ針1号。掛かりが抜群に良いと評価が高いがまかつです。ひねりが加えられることによって「ばらし」が少なくなります。

冬のヘチ釣りを攻略しよう

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出典:freeimages

冬のヘチ釣り攻略をまとめました。寒チヌは夏場と比較すると、個体数が少ない上に活性が低く、全く釣りにくい状態です。

その中で釣果を上げるためには、運や偶然は通用しません。一筋縄では寒チヌを釣り上げることはできないのです。だからこそ寒チヌは貴重な一枚で釣り上げる事が出来た時の喜びは格別です。

冬はオフと決めつけていたヘチ釣り師の皆さん。冬こそ堤防の上には熱い戦いが待っています。ぜひ冬のヘチ釣りを楽しんでみてください。

また、冬の釣りには防寒対策も欠かせません。冬釣りのウエアを解説した記事です。合わせてご覧ください。

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