作成:2018.5.27 更新:2023.3.25
餌代タダも夢じゃない!?ヘチ釣りに使える餌の種類と特徴を解説!
シンプルなタックル、そして仕掛けでチヌをはじめとする数々の大物を狙っていくヘチ釣り。この釣りは仕掛けが単純な分、餌のチョイスと針のかけ方が非常に大切!そんなヘチ釣りの餌についてまとめてみました。
ヘチ釣りに使える多彩な餌の数々を一挙ご紹介

「ヘチ釣り」とは、その言葉の通り堤防などのヘチをひたすら探っていくという釣り。
仕掛けは小さいガン玉と針のみという、釣りの原点のような簡単な仕掛けです。
ターゲットになるのは主にチヌ(クロダイ)ですが、それ以外にもシーバスやロックフィッシュなどを釣ることが出来るので、「ヘチ釣りにシーズンはない」と言われるほど年中楽しむことが出来きます(さらに詳しくヘチ釣りについて知りたい方は、下記の記事もご参照ください)。
シンプルな仕掛けは魚とのやり取りをダイレクトにその手に伝えますので、一度大きな魚を釣ってしまうともうヘチ釣りの虜になること間違いなし!
そのヘチ釣りに使える餌の種類にはどういったものがあるのかをご紹介していきましょう。
餌屋で購入するものもあれば、自分で現地で調達して餌代をタダに出来るものまで。
その特徴や釣れやすい魚、そして針へのかけ方も解説します。
餌釣りの基本「イソメ類」は、ヘチ釣りでも大活躍!

アオイソメ、ジャリメ、ゴカイなどの虫エサは、他のすべての餌釣りと同様にヘチ釣りでも威力を発揮します。
「イソメで釣れない魚はいない」といわれるほど全ての魚に愛されるイソメ類は、五目釣りにはもってこいの餌と言えます。
ただその反面、「チヌだけを狙いたい!」という人には若干不向きの時も。
外道を寄せすぎるので、チヌだけを狙いたい場合にはどうしても手返しが遅くなってしまうのです。
イソメ類を利用して大物を狙う方法は後でご紹介しますが、やはりこの手の餌は五目釣り向きということになります。
「エビ、カニ類」で大物を引き寄せろ!
チヌの大好物、生きたカニで本格チヌ狙い

出典:写真AC
餌屋で購入できる生き餌にはエビやカニというものもあります。
これら甲殻類は大きな魚が大好物で、特にカニはチヌのような硬い歯を持つ魚でなければ食べることが出来ない餌という特徴もあり、外道を避けて本命のチヌ狙いをするには最適の餌です。
カニは非常に餌持ちもよく、針にかけてもずっと動いて魚の注意を引いてくれます。
釣餌屋さんにもよりますが、だいたい一匹のカニで40円から80円くらいが相場。大きさなどにもよりますが、竿一本で楽しむのであれば4匹から6匹程度買っておくと朝から午前いっぱい楽しむことが出来るでしょう。
大きすぎるカニは半分に割って使うことも可能。ただそうなると、魚からしても若干食べやすくなってしまうので他の大型ロックフィッシュなども食いついてくるようになります。
モエビで大物ボウズ逃れ!
モエビ、もしくはシラサエビなどとして売られている生き餌のエビは、チヌ、シーバス、メジナなどの数釣りが見込める優秀餌。
カニのようにチヌに特化することは出来ませんが、モエビを使えば殆どボウズはないと言われるくらいにどの魚でも食ってきます。
仕掛け次第ですが主に大型の魚が釣れることも見込めるので、とにかく大物とのやり取りがしてみたい!という人にはいいかもしれません。
ただモエビを使う場合は餌を生かせておくための小さい酸素注入機が必要になります。「ブクブク」という名称でも呼ばれるもので、小さいモエビ専用クーラーにセットになっているものが1000円程度から売られています。
なければ半日もたずに死んでしまうので、生き餌としての役目を果たしてくれなくなってしまいます。
「貝類」など、現地で調達できる餌には何がある?

出典:写真AC
現地で調達できる餌はまず貝類が挙げられます。
イガイ、それによく似たムラサキイガイはよく堤防の水がかかる場所などに群生している貝で、チヌの大好物でもあります。
この貝は3月から9月にかけて産卵期を迎え、その最盛期がチヌのシーズンとも合致する6月から8月。この時期には手に届く範囲にイガイがどんどん広がるので、餌の確保も容易になります。
イガイと同じく岩肌や堤防などに張り付いていることが多いのがフジツボ。
実はフジツボは貝の仲間ではなく、エビやカニと同じ甲殻類に属するというビックリするような情報もありますが、これもチヌが好む餌になります。
頑張ればカニを捕まえることも出来ますし、夏前の手長エビシーズンには、手長エビを捕獲して餌にするという強者も。
もう一つ現地でとれる餌として、ゴキブリによくにたフナムシという選択肢も。
実はこれも虫ではなくエビなどと同じ甲殻類に属します。素早くて捕獲の難易度は高そうですが、100均に売っているような虫取り網があると容易に捕まえることができます。
実はフナムシも非常に海中で動くのでチヌを釣るのに向いた餌。ただあまり長く生きないので、10分おきに餌を交換する必要があります。
ヘチ釣りは「餌の付け方」で釣果が変わる!
その1、イソメ類の付け方とは
釣りの種類によっては網刺しなどの方法が効果的ともいわれますが、より自然な状態をアピールする必要があるヘチ釣りでは基本的になるべく虫がまっすぐになるように付けるのが良いといわれています。
頭のてっぺんに口があり、その口が開いた瞬間にそこから針を差し入れて3センチほどくぐらせてから外にだし、後の部分は垂らしとしてそのままにします。
尻尾の部分を少しカットすると、そこから体液がでるので集魚効果につながります。
太くて大きなサイズを1本丸々使ったり、もしくは2本、3本と房掛けにすることによって大物向けの仕掛けを作ることが可能になります。
切らずに1本で使うと良く暴れ、ヘチにそって落としていくときよく目立ち、魚にアピールすることが出来ます。
もしある程度型が小さくてもまずは魚を釣りたい!もしくはアタリはあるのにまったく針にかからないという場合は、1本を半分くらいに切って使ってみるのも手です。
その2、カニの付け方とは
カニのつけ方の基本は「ふんどし掛け」と呼ばれるもの。お尻側から刺して、甲羅の一番下の方から出すという方法です。注意点は、あまりに深く(背中の方まで)刺してしまうとすぐに弱ってしまうという点。
あまりこれで食ってこない時、もしくは噛みつかれただけでアワセが出来なかったとき(甲羅が割られてしまっていることも多い)、針を差し替えて、「横掛け」を試してみましょう。
これはお尻から入れてカニの足の下から2番目から出す方法。カニの動きが変わるので、パターンを変えたアピールをすることが出来るようになります。
その3、エビの付け方とは
エビのつけ方は幾つか種類がありますが、一番の基本は尻尾を取ってお尻から針を刺し、お腹側からぐるっと巻いて出す方法。
これが一番エビが自然な態勢で海の中を漂うことが出来るので、魚に違和感を与えません。
オキアミなどの小型エビを餌に使う時は、背中合わせで針がけしたり、抱き合わせで掛けるといった房掛けがお勧めです。
その4、現地調達した餌の付け方とは
イガイなどの貝類は、むき身にして餌にするという方法もあります。
その時は貝の身ではなく管に針を刺すと非常に餌持ちがよくなり、長く使うことが出来るからです。
ただチヌを狙いたい!という時には貝殻をむかず、そのまま針に刺して使うのがお勧め。
チヌは殻があっても平気で食ってくるので、貝殻ごと餌にしてる時にアタリが来たらほぼチヌです。
イガイの針のかけ方は、まず二枚貝の根本あたりを針を刺して探ります。すると繊維状の貝の身が出てくるので、そこに針をかけてグルグルと何回か貝を回すと餌が取れにくくなります。2,3個の貝をまとめてつける時も同じです。
イガイシーズンが終わった後に使えるのがフジツボ。ただしこれはあまりにも硬いため、まずは殻にドリルなどで穴をあけてから針を刺す必要があります。
イガイ、フジツボはエビなどと同じくどの魚も大好物なので、魚種を指定せずに釣りをしたい場合はむき身で使用することも出来ます。
さて、問題児のフナムシを捕獲してしまった時はどうするでしょうか。
まずあのゴキブリのような気持ち悪さを克服する必要がありますが、基本的にかけ方はエビやカニと同じくお尻から刺します。
お尻からお腹にかけてという案と、お尻から背中にという意見もあります。
ただ筆者の経験上、お尻から背中にかけて針を入れた方が、針抜けせずに長く餌として使えるような気がしています。
フナムシを捕まえることが出来た時にはぜひ試してみてください。
結局どの餌がヘチ釣り最強か
これはすべてのヘチ釣り師がそれぞれの大切な意見を持っていらっしゃると思うので、筆者が断定することは出来ません。
あくまで筆者の経験上一番良いと思ったヘチ釣りの餌という話になりますが、筆者が考える最強餌、それは「カニ」です。
一匹使ってのチヌ釣り、もしくは半分に割ってロックフィッシュ釣り両方ともかなりの釣果がありました。
一匹丸々使う時は、軽く背中を潰すだけで一気に匂いが広がるので集魚効果にもつながります。
あまり小物の魚はカニを食ってくることはないので、主に大物ばかり狙えるのも魅力です。
まとめ
ヘチ釣りは単純な仕掛けの中に様々な奥深い要素が詰め込まれた釣りです。
大物が掛かった時のやり取りはまさに格闘。
釣りたい魚と餌の組み合わせを考えて、予想通りの魚が釣れた時の喜びはひとしおです。
「お金より頭を使う釣り」とも言われるヘチ釣りで、ぜひ最高の一本をゲットしてください。