釣りに行く際には欠かせないクーラーボックス。ロッドや餌、仕掛けなどと違い釣果に直接結びつかないからと言って疎かにしていませんか？
実は達人に近づけば近づくほどクーラーボックスの機能性にはこだわるものなのです。

ですが、いざ買うとなると金額も気になるのは仕方ありません。ロッドにお金をかけたいからクーラーボックスは安く済まそう！とお考えのあなたのために安いクーラーボックスを選ぶ際のガイドをお教えいたします。価格が安いクーラーボックスとはいえ、安かろう悪かろうでは困ります。
まずはなぜ価格に差が出ているのか、どれくらいが適正な相場なのか見ていきましょう。

大手釣具メーカーでもあるシマノのフィクセルシリーズで比べてみました。

この表の中での保冷時間とは：目安はクーラー容量の20%分の氷を外気温31度で持続する保冷時間のことです。

安い理由は断熱素材の差なのです。価格差を生むのが、この断熱・保冷のための構造や素材コストです。素材でみると、一番高価格になるのが真空パネル断熱材を使ったクーラーボックスです。次に高いのが発泡ウレタン断熱材を使ったものです。一番安いのが発泡スチロール（ポリスチレン）断熱材のものです。

上の表１では、シマノの商品ラインアップが同じ「シマノ(SHIMANO) クーラーボックス 22L フィクセル」の中から選びました。この中で断熱グレードが異なる高価格から低価格の４種類を比べています。念のために容量はすべて同じ22Lを選びました。

断熱構造とその素材の差が、クーラーボックスの価格差の原因であることが理解いただけます。

ゆずれないのは、やはりこの保冷力の差です。夏場の直射日光の下で、せっかくの釣果がクーラーボックス内の温度上昇で傷むことが不安です。ではどれくらいの時間保冷できれば良いのでしょう。

メーカーが採用する保冷力の基準には、それぞれ違う表現が採用されています。

DAIWAの例では、「クーラーボックス内容量の25%相当の氷を、外気温40度に調整された室内で8時間放置し、氷の重量を計測した数値。『KEEP 50』は、氷の残存率0％になるのは、50時間後程度であるという目安です。」
わかりやすく言うと、容量の４分の1の氷が溶けてしまうまでの時間のことです。

シマノの例では、入れた氷の全容量の20％を何時間キープできるかの時間であらわして、48時間なら「I-CE48h」と表記されています。

その他の例では
保冷効力で表示の例: 11.5度以下(JIS) とか
この保冷効力とは、JIS規格「携帯用クーラーボックス」の保冷試験方法です。
室温40度±2度において、内容器に水を満水容量の80%入れて温度を1～4度に調整する。8時間後に水の温度を測定し、温度差を求めて保冷効力とする。
クーラーボックスを選ぶ時には参考にしましょう。家庭用冷蔵庫の温度がJISでは１0度C以下ですから、これに近い温度に保たれていたらいいでしょう。

消費者から見て、この保冷力の表示が無いメーカーも多く残念です。こういう場合は口コミなどでの保冷力に関する口コミを参考にします。直感的に感じられるのが、「なんとか１日氷が持った」「帰ってもまだ氷が残っていた」などの書き込みです。

保冷力のつぎに大事なのは内容物です。保冷のためには凍結した形で飲料水や板氷またオキアミなどの冷源が入ります。
定番サイズで20Lの容量に入るものはこのどれかになります。

・500ｍｌペットボトルが１８本
・板氷１枚＋500ｍｌペットボトル１４本
・オキアミ３枚＋500ｍｌペットボトル３本

この残ったスペースに釣果を収納します。

なお釣り店やコンビニで市販されている保冷材などもありますので、小さなもので隙間を埋めたりして、保冷能力をあげることもできます。

メーカー表記がある場合、ゆずれない保冷時間は24Hや10度Cが必要です。
釣場に早朝に入って夕刻には引き上げるとか、夜釣りで夕刻に入って早朝に引き上げるとかを考えると、やはり24時間の保冷は必要です。

保冷力はカタログやウェブでクーラーボックスメーカーからの公表数字を確認します。メーカーによって表現が違いますので、口コミなども参考にして決めましょう。保冷時間はクーラーボックスを置く場所の温度やふたを開ける回数なども大きく影響します。メーカーの保冷実験はあくまでふたが閉じた状態での数値ですので注意が必要です。

24h以上の保冷力が表示されているものや、保冷効力が10℃以下と表記のある
クーラーボックスを選びましょう。

読者が釣り初心者でおかっぱりでの堤防釣りを始める時に選ぶクーラーボックスとしました。容量は定番の20L前後がいいでしょう。サビキ釣りやキスなどの小物釣りで少し大きなものがあがっても収用できる大きさ容量です。
船釣り用などになると青物など大きな魚になりますので、クーラーボックスも長さが長い40L以上が必要です。経験的には縦寸＋横寸＋高さ（cm)の３辺合計で120ｃｍくらいが運びいいです。
ここでは小型～中型の魚の収納を中心に考えて、持ち運びにも可能なもので紹介しています。

価格は１万円以内でさがすのがコスパも良いです。後でランキングした商品は１万円以内のものに絞っています。ただ高いクーラーボックスと安いものの差はせいぜい2～３倍でロッドのように大きな差はありません。釣り入門者ならまずこの価格帯で選ぶのが良いです。
原則は釣り用と表記があるものを選びます。ただしキャンプ向けでも釣り用に利用できる口コミが多いものは選んでいます。

クーラーボックスは丈夫なものが必要です。釣りでアタリを待つ時間が長いことがあるので、腰掛けができる強度があることも重要な機能なのです。腰掛ができることを明示している商品もあります。
またこのクーラーボックスに「竿立て」などを後付けできる構造と強さがあることも必要です。

クーラーボックスの価格が１万円以下と安いものをおすすめランキング１０選としてあげました。容量は20L前後の16～25Lのものを選んで、価格の安い順にランキングしました。安い価格のキャンプ向けのクーラーボックス商品でも、口コミで釣り用によく使われているものはランキングに入れています。
また当たり前ですが、ソフトバッグタイプは入れていません。
また保冷については、24h以上の保冷力が表示されているものや、保冷効力が10℃以下と表記のあるクーラーボックスを選びました。

キャンプや釣りで活躍、持ち手が大きく片手で開けられるので便利です。蓋も取れるので洗いやすい。真夏でも保冷材をしっかり入れれば8Hは持ちます。

釣りやレジャーに、高性能断熱材採用で保冷力アップ。
さらに消臭剤「ケスモン」で気になる嫌なニオイをカット！

アジ、イワシ、ガシラ、メバルなどの魚だと十分なサイズ。
保冷力もそこそこ。近場の釣りには最適！

軽快に運べるローラーシリーズ。本体はデッキや地面から熱の影響を受けづらい“クールライザー"構造、ローラー28とスタッキングも可能。
クールライザー構造で、保冷力をアップ。

保冷力、収納性、強度などを磨いた「フリーガ」。防波堤から磯、船まで幅広いフィールドで利用。腰掛け使用を想定した耐荷重設計で非常におすすめです。

先程のものよりコンパクトなクーラーボックス。女性の方でも軽々持てますね。

断熱層に硬質ウレタンフォームを使用。
蓋の材質にはABS樹指を使用、変形しにくい。本体との密閉度が高く、 シール性が良く耐衝撃性が高い。
製造で蓋の上下を、超音波接着し、内部に海水・水が入りません。
パッキンは幅広で、肉厚なEVAパッキン、密閉力が強く冷気逃がさず、外気の進入をシャットアウト!

価格の面からこのランクインですが、魚投入口付きで非常に便利。10000円近くなると上位の価格も当たってみたくなりますね。

クーラーボックスのランキングはいかがでしたでしょう。どうしても安い価格のものは、プラスチックイメージが大きく、保冷効果もたよりなさそうに思えます。初心者ならまず安い価格のものから始めるのがいいです。
慣れてくれば保冷時間の表記がキチンとあるメーカー品を探すのがいいです。

やはりクーラーボックスにかける予算はあなたの釣果次第できまってきます。
またお会いしましょう。