作成:2018.9.20 更新:2023.7.4
サバの釣り方を徹底解説!回遊する群れを掴むのが攻略のキモ
古くから日本人の食卓になくてはならない存在のサバ。サバを酢でしめたしめ鯖や、味噌煮、塩焼き、押し寿司など代表的な料理を挙げるだけでいかに日本の生活に密着した魚かが分かります。今回はそんな身近な魚サバの釣り方を詳細に解説していきます。
釣り方の前に知っておきたいサバの生態

出典:Foter
今回の記事ではサバの釣り方について詳しく解説していきますが、具体的な釣り方の前にサバがどういった魚なのかを知っていきましょう。サバの生態を知ることで効率良くサバが狙えるはずです。
まずはサバがどの地方で釣れるかですが、ほぼ日本中のすべての海域で釣ることができます。具体的には北は北海道南部から南は九州地方まで日本全国で幅広く釣ることができます。なお、沖縄本島などの南西諸島では滅多に釣ることができませんが、まれに釣り上げられることもあります。
また、サバは釣り場が多彩な点も大きな特徴のひとつとして挙げられます。サバは大群で回遊する魚ですが、沖合はもちろん、沿岸部も回遊する魚です。ですので、船釣りはもちろん、堤防や砂浜からも群れに当たれば比較的簡単に釣ることができます。釣り方も数多くあり、代表的なものはサビキ釣り、カゴ釣りですが、餌釣りのほかにもルアーでも狙うことができます。釣り方の詳細については後述します。
次にシーズンについて見ていきましょう。サバは1年中釣れる魚ですが、トップシーズンは5~11月になります。中でも、晩秋(10~11月)から冬(2~3月)にかけてとれるサバが、脂が最も乗っていて食味が美味しいとされています。どうせ釣るなら美味しいサバの方が良いですよね。ぜひトップシーズンの中でも食味が最高のシーズンにサバを狙ってみてください。
船からのサバの釣り方はズバリビシ釣り!

出典:Visual Hunt
さて、ここからいよいよサバの釣り方を具体的に紹介していきます。まずは大物や大量の釣果が望みやすい船からサバを釣る方法を紹介していきます。船からサバを狙うには数多くの釣法がありますが、ここでは最も代表的な「ビシ釣り」を紹介します。
船からサバを狙うならコレ!~ビシ釣り~

出典:Visual Hunt
ビシ釣りはコマセカゴに錘がついている「ビシ」とテンビンを使った仕掛けでの釣り方です。テンビンを使うことで長い仕掛けになり、その結果、餌を自然に海中に漂わせることができる点がメリットです。餌を食い渋ったサバや大物のサバを狙う際に特に有効な釣り方です。
釣り方としては、まずは仕掛けを海底まで下ろして底を取っていきます。仕掛けが海底に着いたら撒餌を撒きつつ、当たりを待ちます。海底で当たりがなければ中層、中層で当たりがなければ表層へと当たりを待ちつつ仕掛けを移動させていきます。
先ほどお伝えしたようにサバは海のあらゆる階層にいますので、当たりがなかったら次の階層、次の階層と積極的に移動させていきましょう。
ビシ釣りには専用のビシ竿を用意しよう
プロマリン(PROMARINE)PGバトルスティック船180H
長さ180センチのビシ竿。食い込みと粘りの良さが特徴です。サバ以外にもアジ、イサキ、イカ釣りなどにも使用できます。
ダイワ(Daiwa)両軸リール14ミリオネア200
ダイワならではの精巧かつ頑強なボディがもたらす剛性あふれる手巻き感覚が特徴の手巻き両軸リール。大物のサバがトリプルでかかっても巻き上げられるパワーがウリです。
ビシ釣りにおすすめのタックルについて紹介していきます。
まずロッドですが、ビシ釣りの場合ビシ釣り専用の竿を使用します。ビシ竿と呼ばれています。長さは1.5~1.8メートル前後、錘負荷80~100号程度のものが最も一般的です。リールは両軸リールを使用します。糸は汎用性の高いPEラインの4~6号程度のものがおすすめです。
なお、ビシ釣りは狙う水深によって使用するビシが異なります。水深100メートル前後の深場を狙う場合にはノーマルタックルを、浅瀬を狙う際にはライトタックルを使用します。ノーマルタックルの場合は、電動リールが必要になります。
船からサバを狙う場合、船長から棚の指示がありますので、それに合わせてタックルを使い分けましょう。
仕掛けの肝のビシカゴは100~130号のものを
次にビシ釣りの仕掛けを詳しく見ていきましょう。
道糸と仕掛けを結着するにはスナップサルカンを使用します。スナップサルカンには腕長30~40センチのテンビンを取り付けます。ビシ釣りになくてはならないビシカゴは、ノーマルタックルの場合は、100~130号程度のサイズのものを使用します。浅瀬を狙うライトタックルの場合は、30~40号のビシカゴを使用します。
仕掛けの幹糸はフロロカーボン製で2~3号程度のものを2~3メートル、エダスも幹糸同様、フロロカーボン製で2~3号のものを数十センチ用意します。針は9~11号前後のサイズのムツ針使用します。
堤防や浜からも狙える!おかっぱりでのサバの釣り方

出典:Visual Hunt
先ほどからお伝えしているようにサバは回遊魚で、基本的には沖合を泳いでいます。とはいえ、常に沖合を回遊しているわけではありません。沿岸部もよく回遊していて、こうしたサバは堤防や浜からも狙うことができます。ここでは、おかっぱりでのサバの釣り方について見ていきます。また、サバは餌釣りのほかにもルアーでも釣ることができる魚として知られています。サバのルアーでの釣り方についても併せて解説していきます。
回遊するサバを大量ゲットできる~サビキ釣り~

出典:Visual Hunt
回遊する魚をコマセを使っておびき寄せて釣り上げるのが「サビキ釣り」です。仕掛けや釣り方が複雑ではなく、群れさえおびき寄せることができれば初心者でも大量の釣果も可能な比較的手軽な釣法です。大物狙いではなく、体長15センチ程度のサバを狙うのであれば最も効率的な方法と言えるでしょう。
釣り方のコツとしては、まずは仕掛けを海底まで落とし底から徐々に当たりがある棚を探っていくと良いでしょう。サバは海底にも中層にも表層にもいますので、ひとつの層でじっと当たりを待つというスタイルは効率的ではありません。当たりがないと感じたら積極的に動いていきましょう。
また、複数の竿を用意して、それぞれ海底、中層、表層と異なる棚で当たりを待ち、いづれかの竿に当たりが来たらその層を集中的に狙うという方法もおすすめです。仕掛けを複数作るのが面倒くさくない人はぜひ試してみてください。
ロッドは5メートル超のものを用意
ダイワ レブロス LT2500D
ギア比: 5.3
1回転巻取り長(cm): 75
標準自重(g): 220
最大ドラグ力(kg): 10.0
標準糸巻量(ナイロン lb-m): 8-220/10-190/12-150
標準糸巻量(ブレイド 号-m): 1.0-360/1.2-300/1.5-230
サビキ釣りに向いているタックルについてお伝えしていきます。
まずはロッドから紹介していきます。サビキ釣りで使用するロッドは渓流竿もしくは磯竿を使用します。なお、長さはともに5.3~5.4メートル程度あると良いでしょう。
渓流竿の場合、リールは必要ありません。磯竿の場合は小型のスピニングリールをセットしましょう。糸はナイロン製で太さは1~2号のものをおすすめします。
仕掛けについて
次にサビキ釣りの仕掛けについて見ていきましょう。
道糸と仕掛けを結ぶにはスナップサルカンを使用します。スナップサルカンにコマセを入れる袋を仕掛けます。サビキ仕掛けは市販されているアジ用のもので十分です。錘は3~6号のものがよく使用されています。
遠投で沖合のサバを狙う~カゴ釣り~

出典:Visual Hunt
沿岸部にもサバは回遊しますが、数や大きさはどうしても沖合の船釣りの方が期待できことは事実です。「船に乗って釣りに行く時間はないけど数多くのサバを釣りたい」という方におすすめな釣法が「カゴ釣り」です。なお、仕掛けには遠投用のテンビンカゴを使用します。
カゴ釣りの最も大きなメリットは遠投できるという点です。ベテランアングラーの中には100メートル以上投げる人もいます。つまり、陸にいながらにして100メートル程度沖合の獲物を狙うことができるわけです。
そんなカゴ釣りの一番のポイントはやはり、遠投できるかどうかです。初心者のうちから遠くに飛ばそうと思ってもなかなか難しいところです。まずは経験者の方から投げ方を教えてもらい、コツを掴むことが重要です。
竿は長さ5メートル以上の磯竿
ダイワ(Daiwa)磯竿スピニングリーガル4-53遠投釣り竿
堤防から磯、遠投釣りまでさまざまなシーンに幅広く対応する磯竿。価格の良さと性能のバランスがとれており、初心者はもちろんベテランアングラーも満足できる仕様になっています。
ダイワ レガリス LT3000D-C
巻取り長さ(cm/ハンドル1回転):80
ギア比:5.3
自重(g):220
最大ドラグ力(kg):10
標準巻糸量 ナイロン(lb-m):10-260、12-200、16-150
標準巻糸量 ブレイド(号-m):1.2-430、1.5-300、2-230
次に、カゴ釣りで使用するタックルを見ていきましょう。
カゴ釣りでよく使用される竿は磯竿です。長さは5メートル以上のものを用意しましょう。硬めの竿の方がカゴの飛距離が出ますが、硬すぎて体の負担が増して振り切ることができずに、結局飛距離が落ちてしまったというケースも考えられます。様々な硬さの竿を振ってみて、自分に合っているかどうかを試してみるのが重要です。
リールは中型のスピニングリールが最も一般的です。糸はナイロン製のもので3~4号の太さのものを選びましょう。
カゴ釣りの仕掛けはシンプル
ここではカゴ釣りの仕掛けについて詳しく紹介していきます。
カゴ釣りに使う仕掛けは浮きとカゴ、さらにサビキ仕掛けとシンプルな構成です。浮きはカゴ釣り用の浮きの「カゴ浮き」を使用します。サイズは5~8号がよく使われています。
カゴは必ず遠投用のカゴを用意しましょう。遠投用のカゴは距離が出やすいように設計されていますので、遠投用かそうでないかでは飛距離に大きな差が出ます。
なお、サビキ仕掛けは市販のアジ釣りようのサビキ仕掛けで十分です。
手軽さで初心者におすすめ!~ウキ釣り~

出典:Visual Hunt
沿岸部付近や堤防付近に回遊してきたサバを狙うには「浮き釣り」という方法もあります。カゴ釣りのように特別な技術が必要ないため、特に初心者におすすめの釣り方です。
ポイントとしては、サバを近くまで誘いだすことです。サバは常に泳いでいる回遊魚なため、一度群れに当たれば俗に言う「入れ食い状態」が期待できる反面、群れが遠ざかってしまうとまったくと言って良いほど当たりが来ない魚です。そのため、一度群れを引き寄せたら、離してしまわないことが大切です。
その際に重要なのがコマセの撒き方です。サバの群れを引き寄せたら、その状態をできるだけ維持するためにコマセを少量ずつ、なおかつできるだけ短い間隔で撒き続けていきます。ある程度群れを引き寄せたら群れの中央付近に仕掛けを投入していきます。
なお、サバの群れの下にはアジの群れが泳いでいるケースがよくあります。もしアジが良く釣れるという状態になったら、浮き下を少し短くして上の階層を狙ってみてください。
浮き釣りの竿は5.3~5.4メートルの磯竿がおすすめ
シマノ FX 4000糸付
ギア比:5.2
実用ドラグ力(kg):4.0 / 最大ドラグ力(kg):8.5
自重(g):320
糸巻量(号-m):ナイロン 3.5-170、4-150、5-125 / フロロ 3-190、4-145、5-115 / PE 1-490、1.5-320、2-240
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):82
次に浮き釣りの際のおすすめタックルを紹介します。
浮き釣りに使用する竿は磯竿です。長さは5メートル以上を使うケースが多く、5.3~5.4メートルのものをおすすめします。リールは小型のスピニングリールを使用します。糸は3~4号のサイズのPEラインを用意しましょう。
仕掛けについて
道糸と仕掛けを結ぶにはスナップサルカンを用います。錘はライントラブルが少ないスプリング仕様の錘(スプリングオモリ)を初心者の方にはおすすめします。錘のサイズは1~3号のものを選びましょう。ハリスは1.5~2号程度の太さのものを1メートル程度用意してください。針はチヌ針の2~3号が良いでしょう。
ゲーム性の高さから人気のルアーでのサバの釣り方

出典:Visual Hunt
ここまで見てきた餌釣りのほかに、サバはルアーでも釣ることができる魚です。群れに当たれば初心者でも比較的簡単に釣れるとあって、ルアー愛好者の間でもサバ釣りを好む方が数多くいます。
ルアーでのサバ釣りにとって重要なのはルアーの動かし方にあります。高活性で食いつきがよくサイズが比較的小さなサバを狙う場合は、表層付近を速めの速度でルアーを泳がせます。大型のサバがターゲットの場合は、中層から海底付近を少し緩めの速度でリトリーブしていくのがコツになります。
また、ルアー選びも重要なポイントです。ルアー選びについては後述していますので併せてチェックしてください。
ロッドはシーバスロッドでOK
ダイワロッドリバティクラブシーバス96M
ダイワが長年培ってきたロッドテクノロジーが凝縮されたシーバスロッドです。その性能の良さは、はじめてのルアーフィッシングはもちろん、ベテランも満足すること請け合いです。
シマノ(SHIMANO)ショアジギングリール17サハラ4000XG
耐久性が高く、動力を無駄にしない設計のため、疲れにくいのが特徴のスピニングリール。シマノが培ってきた精密冷間鍛造技術で、ミクロン単位で成形しているため滑らかかつ粘り強いギアが実現しています。
ここでは、サバのルアー釣りで使用するタックルを紹介していきます。
まずはロッドです。ロッドは、シーバスロッドでOKです。長さは9~10フィート(約2.7メートル~約3メートル)、ロッドパワーはMのものが使いやすいでしょう。リールはスピニングリールを使用します。ラインは1~1.5号の号数のPEラインで、100メートル以上用意しましょう。
狙う階層によってルアーの使い分けが重要
サバのルアーでの釣り方のポイントは、ルアー選びにあります。サバは海の各階層を回遊していますので、その階層にあったルアーが必要になってくるわけです。
サバが海の表層を回遊しているときには、小型のポッパーやペンシルベイトが有効です。表層で当たりがない場合はシンキングミノーやメタルジグで中層から海底層の様子を見ていきます。
このように、ルアーでサバを狙う際には複数のルアーを用意する必要があります。
後は釣行あるのみ!サバの釣り方をマスター!
今回は日本人の食卓になくてはならない身近な魚サバの釣り方を詳しく見てきました。今回紹介したように、サバは群れさえ引き寄せられれば初心者でも比較的簡単に釣ることができる魚です。釣り方も船釣り、おかっぱり、さらに餌釣り、ルアーと多彩でこれから釣りを始めようとする方にうってつけの魚と言っていいでしょう。今回の記事を参考に、サバを釣り上げて釣りの魅力にどっぷりはまってもらうことを期待しています。