作成:2018.9.15 更新:2023.7.4
ホッケのベストな時期は冬!初心者もまずは時期を把握しよう
居酒屋の定番の一つ「ホッケの開き」。かつては皿からはみ出るほどのサイズで提供されたものですが、昨今はすっかり小ぶりになったとか。そんなホッケの時期ごとの生態と釣り方の違い、いつがベストな時期なのかをまとめました。
目次
ホッケの生態の特徴から釣る時期を考える
居酒屋などで「脂が乗っておいしい」としてお酒のアテとして注文するホッケの開き。1年中お目にかかれる、というかメニューに載っている感じのなじみ深い魚です。そんなホッケを釣るベストな時期はあるのか、生態と生息海域などを交えながら紹介してみます。まずは、年間を通じての生態に簡単に触れてから、ベストな時期と釣り方を簡単に説明します。
カサゴ目としては珍しく広いエリアを回遊するホッケ
ホッケは北海道産が有名ですが、茨城県以北の太平洋岸、日本海全域から北海道西岸を経てオホーツク海南部、千島列島に分布しています。水深100メートル前後の沿岸の岩礁あたりから沖合の海底に生息しているのですが、カサゴ目としては珍しく広いエリアを回遊するのが特徴です。
産卵期は例年9月~翌2月ごろ水深20mまでの岩礁帯で

出典:foter.com
北海道沿岸で釣れるとして有名なホッケ、産卵期は例年9月~翌2月ごろです。時期が幅広いのは分布エリアによるためで、寒いエリアの産卵が早くなります。産卵場所は水深20mまでの沿岸の岩礁帯です。雄から求愛行動を受けた雌が岩のすき間などに粘着性の卵を産むのです。産卵は数回に分けて行われ、雄が自分のエサも取らずに卵を守るという習性があります。産卵後は雌雄とも沖合に戻ります。
産卵前と産卵後がホッケを釣れる時期
さて、ホッケの釣れる時期は一年のうちのいつごろになるのでしょう。他の魚同様、産卵期と関係があるのでしょうか? ほぼ東北以北から北海道の沿岸や沖合を生息海域とするホッケの産卵時期は、一般的に9月~翌2月になります。産卵場所は主に沿岸の水深20mほどの岩礁帯です。北海道日本海側ですと10~12月に抱卵ホッケを狙うことができます。
ホッケ釣りは12月から翌2月の冬がベストな時期!

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12月から翌2月になる冬のホッケ釣りは、沿岸の岩礁帯から竿を入れて狙います。水深20m前後のエリアをうろついているホッケを、前出のように撒き餌を入れて、少し上に上がってくるところを狙うのです。つまり、産卵前のホッケを主に狙って釣るのが冬のホッケ釣りといえましょう。
産卵後の3~5月に釣れる春ボッケも釣りに良い時期
次のベストな時期が、続く3~5月となる春です。産卵時期は一般的に9月~翌2月とかなり幅がありますが、これは特定の海域を指しているわけではなく、広い地域が該当しますので、南に下がるほど産卵が早くなるわけです。数回に分けての産卵を終えたホッケが、消耗した体力を回復させようとエサを求めて岩礁帯をうろつきだすのが春となるのです。
荒食いする春ボッケを狙えば入れ食いも
産卵を終えたホッケは、春である3~5月に荒食いと呼ばれる勢いでエサを食べます。ここを狙って釣るのが、春ボッケなのです。食いつきが良いため、入れ食いを楽しめる時期となりますが、近年はそうしたスポットは、全体の漁獲高の減少の影響もあって、少なくなってきているようです。
釣り方は抱卵ホッケを狙う時期と変わりません。ただし、食いっ気が旺盛なので撒き餌は最初に少し撒く程度でいいでしょう。漁獲高が減ってきているとはいえ、群れで行動する習性があるので1匹かかると、次々にかかってくる場合も少なくないようです。こうした時が、釣りの楽しさを満喫できるひと時といえそうです。
6~8月は沿岸からのホッケ釣りが難しい時期!船で狙おう!
荒食いの春ホッケ時期が終わり、夏となる6~8月は、磯などの沿岸からの釣りは難しくなります。釣れないことはありませんが、ホッケそのものが沖合の水深100m前後の海域に移動してしまっているので、船から釣るのがベターです。船釣りも竿を使って撒き餌でおびき寄せて、という手法は変わりません。
夏のホッケ釣りは船から潮目を見つつ撒き餌で
ただし、水深があるので、ホッケが回遊している深さまで撒き餌が届くように撒かなくては意味がありません。ですので、船長さんに聞いて潮目などを見ながら行います。釣り方は岩礁などからの釣り同様、サビキ釣り、投げ釣り、ウキ釣り、ルアー釣りで楽しめます。
夏の本州日本海側では底引き網でホッケを一気に
余談ですが、夏の本州日本海側では、水深100m前後で回遊しているホッケを底引き網漁で一気に引き上げます。底引き網漁は産卵時期前の11月まで続けられるようで、この時期のホッケを漁としてとらえると、旬ということになり、一部地域ではホッケの旬が夏から秋となっているのも、トロール船での漁獲を指しているからです。
秋の時期はホッケ釣りおやすみ?9~11月の時期
さて、最後の時期となる9~11月の秋のホッケ釣りです。時期の分け方としてのホッケ釣りの秋は、少しあいまいな時期といえます。北海道沿岸であれば海水が寒冷なことから、抱卵ホッケが産卵のため沿岸部へに向かうことになります。他方、本州日本海側ですと、上述のように産卵前に相当しますので、トロール漁が行われるわけです。船釣りでも狙えるのはもちろんです。
秋のホッケ釣りは磯などの沿岸からは不向き
つまり、生息地域と海水温の差によって抱卵ホッケを狙うか、海底のホッケを狙うかに分かれるため、あいまいな時期となるのです。釣りなら磯だろうが沖だろうがどこへでも行くという方は別として、磯や岩礁、堤防からの釣りに絞るのであれば、秋のホッケ釣りはお休みして、寒くなってくるころにアオリイカやヒラメなど狙うのもいいかもしれません。
ホッケは冬の時期に釣りに行こう!
ホッケ釣りにベストな時期は冬本番ですが、沿岸部から竿でホッケを釣ることができる時期は、産卵期、産卵後を含めたその前後の例年9月~翌5月ごろまでということが分かっていただけたかと思います。この時期は産卵前の抱卵ホッケを釣ることができ、続く産卵後の3~5月に春ボッケと呼ばれる荒食いをするホッケを狙えることになります。
ただし、近年はホッケの数そのものが減少しているためか、漁獲高が下がっているそうです。居酒屋で定番のホッケのサイズも、近年は小ぶりだとか。産卵期に雌ホッケが釣れたら、子孫を増やしてもらうためにも海へ戻してあげるのを、釣り人のマナーとして徹底させるべき時期が来ているのかもしれません。
みなさんもマナーを守って楽しいホッケ釣りにでかけましょう!