作成:2018.5.7 更新:2023.1.29
初心者から始めるシロギスの投げ釣り!コツを抑えて遠投にチャレンジ
砂浜から狙うシロギスの投げ釣り。100メートル以上飛ばす遠投と聞くと「初心者には無理」と敬遠されがちですが、実はコツを抑えればそれほど難しくありません。ここでは、投げ釣りでシロギスを釣る方法をタックルや仕掛け、餌までわかりやすく解説します。
目次
投げ釣りで釣るシロギスは爽快!

投げ釣りの魅力は、まずはその爽快感!仕掛けを飛ばすために渾身の力で勢いよく振られた竿から、自分の狙った通りに仕掛けが飛んでいく様はとても気持ちの良いものです。3本針や5本針の仕掛けに複数キスなどがついてくることも珍しくなく、釣れた時の嬉しさは倍増です。
浜からの投げ釣りではキス以外にも釣れる可能性のある魚は沢山おり、その殆どどれもが美味しい魚。キスを主眼に置きながらも、何がくるか分からないワクワクも浜からの投げ釣りの醍醐味です。
それでは、まずは遠投のコツから見ていきましょう。
投げ釣りの前に『遠投のコツ』を抑えよう
まず初心者が抑えるべきポイントは、基礎的なオーバースローを体で覚えること。オーバースローは、飛距離はそこまで期待できませんが、狙った場所にいきやすいというメリットがあります。また、投げ方に個人差も少ないので、基礎から学びたい初心者にオススメです。他にも、サイドスローや回転投法など、様々なキャスティング方法がありますが、慣れてきてからチャレンジしましょう。
遠投には事前の準備がかかせないので、まずは準備段階から見ていきましょう。
遠投の5つの事前準備
- フィンガープロテクターを着用(指の保護)
- 中指と薬指で脚を挟んでリールを握る
- 竿尻はソフトに包み込む
- 人差し指の先端で力糸を竿に押し付ける
- ベールを返す
- 投げる前に後ろを確認する
これで事前準備は完了です。
一番大事なのは指先を保護すること。エサや魚を触ったあとは、指が湿っていたりして、糸がスリップすると指を切ってしまいます。うまく飛ばすコツは、竿をギュッと握り過ぎないことです。手のひらが力まないように、手首より下のスナップを意識してみましょう。
忘れがちなのが、後ろの確認。障害物に引っ掛けてしまっても面倒臭いですし、他の人に針が刺さってしまうと大怪我の元です。投げる前は必ず後方を確認してください。
オーバースローのやり方とコツ
オーバースローのやり方はこちらの動画を参考にしてください。基礎からわかりやすく説明されています。
遠投で最初に覚えておくべきコツは以下の3つです。
目線は上45度
目線は非常に重要です。見ている先に仕掛けが飛んでいくので、目線を意識するだけでコントロールできるようになります。見る先は上空45度。一番飛距離の出る螺旋を描くことができます。
タラシは1m前後
タラシは長くすればするほど、飛距離ができますが、難易度も高まります。初心者におすすめは1m前後ですので、気持ち短めに合わせた方が快適に投げられます。
ボールを投げるようなフォームで
フォームは、遠くにボールを投げる時のように、振りかぶって体に少しひねりを入れると良いでしょう。足は肩幅くらいに開くと安定します。
投げ釣りのコツは「遠くに投げてゆっくり引く」
基礎的なオーバースローがマスターできたら、次は釣り方です。シロギスの投げ釣りのコツは「遠くに投げてゆっくり引く」こと。出来るだけ遠くに投げたら、あとはゆっくりと引っ張ってくるだけです。
だいたい10秒間に3,4メートル程度の速度で引くことを心掛けましょう。 少し釣れないなと思ったら引く速度を上げてみたり、逆にさらに遅くすることも効果的です。
それでも釣れない場合は、餌を変えてみましょう。釣り場によって、または日によって魚が食いついてくる餌が違うということもあります。アオイソメとジャリメを半分ずつ使って餌を仕掛けて、その日の当たり餌を探ることもできます。シロギス釣りの餌については後ほど解説します。
シロギスの投げ釣りで使うタックルを解説

ここからは、ロッドやリールや仕掛けまで、投げ釣りに必要なタックルについて解説します。
大型の釣具屋さんに行くと、投げ釣り用のタックルセットなどをおすすめされますが、釣り初心者の方はそれで十分です。しかし、慣れてくるとすぐに物足りなくなってしまうので、こだわりたい方は個別でタックルを揃えた方がよいでしょう。
竿(ロッド)は4〜5メートルがおすすめ
浜からの投げ釣りに使われるロッドは大体が4メートルから5メートルの間。一番多いのが4.05メートル、それから4.25メートルサイズ。継竿と呼ばれる、竿が何ピースかに分かれてて釣りをする前に組み立てるタイプと、振出しと呼ばれるタイプに分かれます。振出しはタケノコのように中から伸びるので、初心者にはより扱いやすいタイプといえるかもしれません。
仕掛けの部分で詳しく書きますが、大体使う錘(オモリ)は25号から30号なので、少なくともその重さの仕掛けを投げれるロッドである必要があります。
サーフ投げ釣り用の入門ロッド《ダイワ》
ダイワ(DAIWA)スピニングロッドプライムサーフT25-405・W釣り竿
全長(m):4.05
継数(本):4
仕舞(cm):112
自重(g):370
先径/元径(mm):2.1/23.7
錘負荷(号):20.-30
リールシート位置(cm):78
サーフ投げ釣り用の入門ロッド《シマノ》
シマノロッドサーフチェイサー[振出]425CX-T
全長(m):4.26
継数(本):4
仕舞寸法(cm):123.0
先径/元径(mm):2.8/23.9(23.6) ※元径の( )内の数字は後端から200mmの外形を表示しています。
錘負荷(号):25~35
標準錘負荷(号):30
カーボン含有率(%):99.7
シロギス用のリールは「ドラグ」が必要ない
投げ釣り用のリールは大きく2種類を使い分けますが、ここではキスなど、小さい魚狙いに標準を合わせたリールの特徴を紹介していきます。
小型魚を狙うためのリールの中には、ドラグという機能を省いたものがあります。ドラグとはリールの糸が切れるのを防止するための機能です。大きな魚が強い力で引っ張った時に、ブレーキをかけつつ糸が自動的に出ていくようになっています。
しかし、強い力で糸を引っ張るほど体力がないキスやカレイなどを狙う釣りの時にはこれが不要です。そのためこの機能を省いたリールが売られています。
投げた後にゆっくり引っ張るときのことも考えて、ギア比(リールを一回転して巻かれる糸の量の設定)は少し低めのものを購入しましょう。波などがあっても仕掛けを感じながらしっかり引っ張ってくることが出来ます。
サーフ投げ釣り用の入門リール《シマノ》
シマノリールSAアクティブサーフ標準
ギア比:3.8:1
許容耐力:20.0kg/196N
自重:600g
糸巻量(ナイロン号-m):2-300/3-200/4-150
糸巻量(PE号-m):1.5-250/2.0-200/3.0-130
最大巻上長:82cm(ハンドル1回転あたり)
スプール寸法:69/35mm
ベアリング(ボール/ローラー):3/1
サーフ投げ釣り用の入門リール《ダイワ》
ダイワ(Daiwa)スピニングリール17ファインサーフ35細糸
付属品:ゴムシート/調整ワッシャー
標準巻糸量 ナイロン(lb-m):1.5-200
自重:595g
巻取り長さ(ハンドル1回転あたり):87cm
ギア比:4.1
実用耐力:8kg
初心者はナイロンライン(2号か3号)がおすすめ
投げ釣りに使用するラインの選択肢は、PEラインとナイロンラインの二つ。
よくかっ飛ばせるのは細くて浮力もあるPEライン。しかし初心者でも扱いやすいのはナイロンラインです。
もしPEを使うのであれば号数は大体0.8号から1号、ナイロンラインであれば2号か3号あたりを使用していれば間違いはありません。
それ以上太くなってしまうと魚にバレてしまって釣れなくなる可能性があります。
投げ釣りに使うラインでおすすめなのは色によって投げた距離が判別できるタイプ。
初心者から始める場合は、だんだんと上手になって飛ぶ距離が増えてくるのが、感覚ではなく目で見てわかるようになります。
投げ釣りで使われるオモリは25〜30号
投げ釣りは錘(おもり)の重さを利用して遠くへ仕掛けを飛ばす釣りです。
投げ釣りでよく使われる重さは25~30号。
波が高くて海底への着底が読めない時などはもう少し重めの錘を使ったりもしますが、基本的には25号の錘で十分飛ばせるし釣りも楽しめます。
錘は糸に直接結ぶというよりも天秤と呼ばれる道具につけるのが一般的。天秤とは堅い針金のようなもので、モトス(メインライン)とハリス(仕掛けライン)の間にくるものです。
錘が全く動かないようになっているものもありますが、ジェット天秤や名古屋天秤と呼ばれるように針金の部分を錘が動く、遊動式の天秤がおすすめ。
固定式だと魚が餌を咥えた瞬間に錘の重さに気づき、怪しんで離してしまう場合があるからです。
遊動式の場合、魚が餌を咥えて引っ張っても無駄な負荷が掛かることがないので、警戒心の強い魚でも釣りやすくなるというメリットがあります。
特に遠投する投げ釣りに特化したジェット天秤の場合、錘が遊動式になっているのに加え、錘の形自体がミサイルのようになっていて遠くに投げるのに有効です。
4本針や5本針の仕掛けが扱いやすい
天秤の下側には仕掛けを取り付けます。
仕掛けを自分で作る強者もいますが、ここは無難に釣具屋で仕掛けを買ってきましょう。
ものによっては10本針の投げ仕掛けもありますが、扱いやすさと魚の釣れる確率のバランスが一番いいのが4本針や5本針の仕掛けです。
10本も針があると、釣った後に餌を付けなおすのが大変。慣れていないとそれだけで時間を無駄にしてしまうこともしばしばです。また釣れた時に空き針が他の糸とおまつり(絡まること)したり、手に刺さったりということも。
まずは少ない針から扱えるようになっていきましょう。
OWNER(オーナー)仕掛け鈴なりキス仕掛4本ジャストキス7号1号2.2mN-3067
主な対応魚種:キス
鈎本数:4本 / 使用鈎:ジャストキス
号数:7号 / ハリス号数:1号 / 幹糸号数:2号
全長:2.2m
シロギスを釣るなら餌は「アオイソメ」で決まり

釣り餌で一番使われるのがアオイソメ。
体長の割に体が太く、針につけやすいという利点があります。
キス釣りの場合は一本丸々使うと長すぎて無駄に餌だけついばまれてしまうので、2センチくらいに短く切って使うとよいでしょう。断面から体液が出てきますが、それが魚たちをおびき寄せる匂いを発します。
アオイソメが主流になる前によく使われていたのがジャリメ、別名が石ゴカイ。
これはアオイソメと比べると体の線が細く、少し針に仕掛けるのに手間取ることも。
ただキスが非常に食べやすいサイズなので、キス釣りには非常に向いている餌と言えます。
マルキュー(MARUKYU)パワーイソメ(中)青イソメ
水中に残らず自然にやさしい生分解!
すぐに使えて保存もラクな常温タイプ。
イヤなニオイがしないフルーティーな香り!
15本入り
長さ 約10cm
太さ レギュラー
マルキュー(MARUKYU)ワームパワーミニイソメ約4.5cm青イソメルアー
主な対応魚種:キス アジ メバル ハゼ ハセ シロギス サヨリ
サイズ:約4.5cm
カラー:青イソメ
入り数:20本
投げ釣りでシロギスが釣れるスポットは『砂地』

キスがいる場所は基本的に海底が砂地になっている場所です。
そのため、釣りは砂浜から、もしくは砂浜に面したり下が砂地になっている堤防からということになります。
遠くに投げてゆっくりと引っ張ってくると、針が引っかかっているわけでもなさそうなのに少し重みを感じたり若干の抵抗を感じる場合があります。
そこは地形が盛り上がっている、「かけあがり」と呼ばれる場所。
魚が集まりやすい場所となっているので、少し違和感を感じたらさらに引く速度を落としてみたり、または少し待ってみるのも手です。
まとめ
キスは非常にアタリが明解で分かりやすく、釣れた時のうれしさもひとしおです。
食べてもとても美味しい魚で、ポピュラーな天ぷらの他、釣れたてをすぐにおろして刺身や洗いなども正解。
だからこそ初心者向きの釣りと言われているにも関わらず実際には釣り玄人や人気釣りユーチューバー、魚に食べ飽きた漁師までシーズンになるとキスを狙いに行きます。
晴れた日に、日頃のうっ憤をすべて自分の針に乗せて遠くへ飛ばしてみませんか?
みんなが愛する「砂浜の女王」をゲットできるかもしれません。